飛行機は世界中で考えると常に数千機飛んでいます。その膨大な数の飛行機を安全に誘導しているのが「航空管制」です。そんな航空管制は誰がどうやってどこでやってるの? そんな疑問を解消します。
管制官って?
その名の通り、航空管制を行う人です。
航空管制官は、実は国家試験を通過した人のみが成れます。
そのため、管制官は国家公務員として、国土交通省の下で働いています。
どこで管制しているの?
管制と聞いて一番に思い浮かぶのは管制塔でしょう。
しかし全ての航空管制官がこのタワーで働いているわけではありません。
他にも「ターミナルレーダー室」など様々な場所があります。
どこでどのような仕事をしているかを学ぶ前に、先に管制の基礎を見てみましょう。
どうやって管制するの?
管制は基本的に「無線機」を使って、パイロットと管制官の間で交信が行われます。
いわゆるトランシーバーみたいなやつですね。これを使用して、管制官は英語で指示を出しています。日本ででも英語です。さすが空の入り口は違います。
しかし決められたフレーズしか使わないので、技術は英語スキルと比例するわけでもないようです。
しかし、万が一無線機が故障した時のために、管制塔には「ライトガン」というものが用意されています。ライトガンとは、飛行機に向けて、強い光を赤色または緑色のセロファンを通して発光する機械のことで、信号のように物理的に直接サインを出すことも可能です。
このように航空業界では、「もしも」の時のための策が常に存在しています。
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管制の種類
航空管制は大きく分けて3つに分類されます。
(引用元:国土交通省HP)
飛行場管制<TOWER>
いわゆる空港の管制。
管制塔にいる管制官が、空港地上にいる飛行機や、空港周辺の飛行機をレーダーと目視によって、管制します。
TOWERの中にも、地上管制席<地上を移動する飛行機の整理をする人>・飛行場管制席<離着陸を承認する人> など様々な仕事が分担されて行われています。
ターミナルレーダー管制<APPROACH/DEPARTURE>
飛行場管制と航空路管制の繋ぎの役割をする管制。
管制塔の下にあるターミナルレーダー室にいる管制官がレーダーをみながら誘導を行います。ここで多くの飛行機が上昇/降下するので、意外と大変なパート。
航空路管制<CONTROL>
空港と空港の間の大半は、この航空路管制によって管制される。
日本上空は4つに分割されて、
- 札幌航空交通管制部
- 東京航空交通管制部
- 福岡航空交通管制部
- 那覇航空交通管制部(※)
と呼ばれる。
※那覇管制部は2018年に廃止され、現在は新設の神戸管制部が引き継いでいます。
その4つのコントロール(管制部)の中でも、数十個のセクターに分かれていて、それぞれ周波数の異なる無線で管制されている。
このコントロール管制業務を行う管制官は、実は空港にはいません。東京コントロールセンターは、埼玉県所沢市にあります。
では 実際のフライトで一つの飛行機がどのように管制されるのかみてみよう。例えば羽田から福岡まで飛ぶ飛行機があったとしよう。
初めに管制塔にいるTOWER管制官から無線で指示をもらい、ターミナルからTAXI(地上を移動)して、滑走路まで行き、「cleared for takeoff」と言ってもらったら離陸します。
離陸すると同時に、TOWERの人から「contact departure, 120.8」というようにDEPARTUREの無線周波数を教えてもらったら、そこに無線を切り替えます。
DEPARTUREの人と連絡をとり、ある程度まで上昇しながら旋回し、決められた航路<空の道>まで入ります。
メインの航路に入り次第、同様に「contact tokyo control」といわれます。
東京コントロールに切り替えてから、しばらく関西の方まで飛ぶと、コントロールの管轄が変わります。ここで福岡コントロールにバトンタッチします。
福岡空港に近づくと、APPROACHにまた無線を切り替え、そこから降下。着陸滑走路が目視できるくらいの所で、TOWERに引き継がれ、着陸し、地上管制席の人の指示によって、ターミナルゲートまで移動します。
このように、ひとつのフライトだけでも何人もの管制官によって監視され、誘導され、指示が出されます。これだけ巨大な飛行機を安全に飛ばせるのは、陰で彼らがこれだけ支えてくれているのです。
まとめ
航空管制はとても大変な仕事であるけれど、その分だけやりがいがあるし、責任もある仕事です。
是非興味を持った人は、Live ATCなどで無線を聞いてみてください!
「RJTT TOWER」などを聞いていたら、「cleared for takeoff」って聞き取れるはず!!これは何度聞いても飽きない。。笑笑