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【パイロット志望生必読】パイロットになるためには

誰もが一度は憧れたことのある職業「パイロット」。

そのパイロットについて「給料」や「なるためのルート」徹底解説!

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パイロットの給料

パイロットは比較的高い給料の職業として知られる。

JALやANAの一般的な給料は1500万円超え

LCCの参入により年々落ち込む傾向にあるものの、日本人の平均年収と比較すると断然。

一方でLCC会社のパイロットの平均年収は1000万円前後と、大手二社と比較すると低いようだ。

しかしながら、JALやANAなどの大手に勤めた場合と、LCC社に勤めた場合での生涯年収は意外なことにほぼ差がないといわれている。なぜなら、大手では機長昇格まで数十年かかるのに対して、LCC社では一人前のパイロットになってから機長昇格までが数年、と断然短いのだ。そのため年収のランクアップも同様に早く、生涯年収では違いがほぼ生じないということだ。

 

今後の世界でも、航空産業に対する需要がなくなることは考えられず、世界のグローバル化により、一層必要とされる交通手段である。さらには近年のパイロット不足によりとても貴重な人材と扱われるということから見ても、今後のパイロットに対する需要は確保されるだろうと考えられる。

 

パイロットになるためのルート

主にパイロットになるためには5つの方法がある。

  1. 自社養成コース
  2. 航空大学校
  3. 民間の大学
  4. ライセンス私費取得
  5. 自衛隊から転職

 

自社養成コース

これはパイロットになるルートとして有名。

名前の通り、ANAやJALなどの会社の中で、パイロットになるための養成訓練をうけるコースだ。

JAL社は倒産後一時的に募集をやめていたが、近年また再開したようだ。

この自社養成コースは倍率が非常に高く、100倍とも言われる。そのため身体的に異常なく、勉学に優れていて、性格もとても良い人材であることが前提で、そこに運があったものだけが、選ばれる。

しかし、選ばれたからには、受けられる優遇も相当なもので「養成訓練を受けながら給与を得ることができる」のだ。

最初の二年間で本社や現場(例えばグラウンドスタッフや整備場)などで会社全体のことを理解したうえで、その翌年から飛行に関する座学、そしてそのあとにアメリカなどでフライト訓練。戻ってきてから特定の機体に対するライセンスを取得する。など合計で5年間ほどかかる。しかし訓練費は全て会社持ちであるうえに、給与まで発生するという、超サービス!!!

 

しかし、養成訓練は、5年が経てば必ずパイロットになれるわけではない。フライト訓練中に2回連続で「FAIL 不合格」を受けると、二度とパイロットを目指すことはできなくなってしまう。

 

【メリット】

・養成費ゼロ

・給与有り

 

【デメリット】

・倍率は100倍超え

・パイロットになるまでの年数は長め

 

自社養成と航空大学校の採用試験の過去問も掲載。

パイロットになりたい人は一度は受ける試験だと思うと、

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航空大学校

自社養成に対して、比較的難易度は低く、かつ金銭的にも現実的である「航空大学校進学」は、パイロット候補生の中でもメジャーである。現在空を飛んでいるパイロットの約半分ほどは航空大学校出身であるのが事実だ。

航空大学校とは 宮崎に本社を置く、独立行政法人であり、国からの指定・補助を受けて運営しているため、他の民間のパイロット養成機関に比べて安価でライセンス取得ができる。そのため応募者が多く、さらには民間養成機関よりも募集人数が少ないために、難易度はある程度高い。しかしながら自社養成よりは合格は比較的容易に可能である。

 ↓URLを添付した。

www.kouku-dai.ac.jp

 

航空大学校では基本的に2年間で卒業でき、その後ANAやJALなどの会社によって、人材を買ってもらう。いわゆる就活のようなものだ。そのあとに最終的に会社側での独自ライセンスなどを取得することで一人前のパイロットとしての人生がスタートする。

しかし、自社養成と同様に「FAIL 不合格」が2回でアウトというシステムなので、決して絶対的な方法というわけではない。

 

【メリット】

・パイロット養成機関の中では学費が安い

・パイロットになるまでの年数は短い

 

【デメリット】

・同様にFAIL2回で さようなら。。

 

自社養成と航空大学校の採用試験の過去問も掲載。

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また、過去問の存在しない「総合1」(2022年度より、総合に統合されたものの総合1に該当する問題あり)の対策として、総合1の対策問題集を作成したので、ぜひ参考にしてほしい。

 

民間の大学

上記の二つは、比較的倍率が高く、スタートラインに着くところまでがとても厳しかった一方で、民間の大学でのライセンス取得は難易度が低めであり、言ってしまえば誰にでも可能である。

しかしながら一番の問題は「金」。4年間の合計で数千万かかるとも言われている。この金額はなかなか誰にでも払えるような金額ではない。

現在は、

東海大学・桜美林大学・法政大学・崇城大学・千葉科学大学・神奈川工科大学・第一工業大学

などでライセンス取得が可能である。

また、気をつけなければならない点は、入学の段階で身体検査を受ける必要があること。これはどのルートをとっても同様ではあるが、もし身体適正が基準を満たしていなければ、他の要素がどれだけ良くても、パイロットになることは不可能であるのだ。これは、安全を守る仕事をする以上、犯すことのできないルールなのである。

 

【メリット】

・難易度は低め

・誰にでも可能

・自分のペースでライセンス取得

 

【デメリット】

・学費が高額

 

私費ライセンス取得

一個前に説明した「民間大学」などで取得する以外にも、私費留学などでライセンスを取得するパターンがある。

これは、自分で一から海外等のパイロット育成コースに入学し、そこで英語を使いながら、私費でライセンスを取得する方法だ。

なぜ海外かというと、海外の方が、安くライセンスを取得できるからだ。しかし、その分サポートがなく不安であったり、帰国した後にライセンスを日本版に書き換える必要があったりと、手続きがとても難しく、困難である。そのため、サポートをしてくれる日本の企業などによる助けをもらうことも一つの手である。

その一方で、海外で過ごすために、グローバルな世界で働くパイロットとしては不可欠である「英語力」を同時に鍛えることもできる。

 

【メリット】

・民間大学に比べて一般的に安く済む。

・英語力を身に着けられる

 

【デメリット】

・サポートが手薄であったり、手続きが面倒。

・何年でパイロットになれるかは、様々。

 

自衛隊から転職

この「自衛隊から転職」というルートは昔は多く行われていたが、近年ではそれがほぼ不可能となっているうえ、もしも可能であったとしても、運の要素が大きく、絶対的なルートでないために、このブログではおすすめしない。

 

パイロットに必要な事

 以上のようにパイロットになるルートを書いてきたが、実際にパイロットになるために必要な素質はどれも同様である。

 

まず第一に健康

 これは、何よりも大切であり、いくら他の要素で優れていたとしてもカバーすることはできない。視力などの問題は近年では矯正でも問題なくなっているが、そうではなく身体の健康によって受験生の半分ほどが落ちている。

 その健康問題の中には、普段の生活習慣で改善できるものは少なくない。日々の生活習慣を見直し、ぜひ一度パイロット用の航空身体検査を個人的に事前に受けてみてはどうだろうか。

 以下のサイトで、指定機関リストがみられる。

航空身体検査指定機関|航空身体検査|一般財団法人 航空医学研究センター

 

そして第二に英語力

 パイロットは、国内だけでなく、外国と日本を結ぶ重要な仕事である。つまり、仕事場所は海外であることも少なくないわけだ。さらには、パイロットが機体の外と通信する際に用いるのは無線。外国の空港に着陸する際には、英語で現地の管制官とコンタクトを取る必要があるのだ。(日本の空港であったとしても基本的な管制指示は英語で行われる。)

 時々、管制官の英語は決まったフレーズしか使われないから、パイロットや管制官には英語力は必要ない、という人を見かけるが、そうではないと思う。

 なにか緊急事態が起こった時に、すぐに対処するには、パイロットと管制官の間に、スムーズなコミュニケーションが必要であり、そのコミュニケーション手段として、「英語力」は必須であるのだ。

 今、学校の英語の勉強に苦しんでいる高校生たち。将来のパイロットという職をモチベーションにして頑張ってほしい。

 

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そして第三に気持ち

 何年間もずっと「パイロットになりたい」という気持ちを強く持ち続けることだ。自社養成に入ったとしても、航空大学校に入ったとしても、勉強や訓練は簡単なものじゃないし、もはやパイロットになった後だって 資格試験や適性試験は頻繁に行われる。

 そのため、パイロットや空に憧れる気持ちを誰よりも強く持っていなければ、乗り越えられないだろう。

 だからこそ、君たちにはこのサイトをよんでもらい、常にモチベ―ションの維持に役立ててもらえたら、と思う。

 


役に立ったと思う方は是非「読者」になってください! 

ありがとうございましたー!!

 

 <参照>

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